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その日の休憩時間、あたしは珍しく柚香に呼び出されていた。


柚香はおずおずとした様子で「弘樹の事なんだけど」と、言って来た。


「弘樹がどうかした?」


「なんか今日様子がおかしくて……。話しかけても上の空だし、授業もちゃんと聞いてないみたいだし」


柚香は本当に弘樹のことが大好きみたいだ。


ずっと弘樹のそばにいて、弘樹のことをちゃんと見ている。


それなのに弘樹はあたしみたいな女のことが好きなんだ。


恋は盲目とはよく言ったものだ。


「さぁ。あたしは何も聞いてないけど」


「そっか……」


「柚香もっと頑張りなよ」


「え?」


「柚香ってあまり飾らないけど、可愛いよ?」