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それから数十分後。


登校してきた弘樹はマナと同じように青ざめていた。


2人の様子を見ていると笑いたくてたまらなくなったが、必死で我慢する。


これで2人はしばらく大人しいだろう。


弘樹はようやくあたしの恐ろしさに気が付いたかもしれない。


あたしは欲しいものはなんでも手に入れるんだ。


物でも、お金でも、人でも。


そしてそれを邪魔する者は必ず排除する。


「マキ、おはよう」


ホームルームの直前に登校してきた陸人があたしへ向けてそう言った。


「おはよう陸人。時間ギリギリじゃん」


「寝坊しちまったんだ」


そう言って頭をかく陸人はナオと視線がぶつかっても無視をして、自分の席へと向かった。


その様子にあたしは心底満足した。


陸人はもうすぐあたしのものになる……。