「ねぇ弘樹。もう1度あたしとしたい?」


顔を近づけてそう言うと、弘樹がゴクリと唾を飲みこむのが聞こえて来た。


「してあげてもいいよ?」


「なに……言ってんだよ」


どうにか冷静になろうとしているけれど、目は泳いでいる。


弘樹の胸に自分の耳を押し当ててみると、心音はすごく早かった。


「あたしの言う事を1つ聞いてくれたら、なんでもしてあげる。弘樹も、どこでも触っていいよ?」


囁くようにそう言う。


「……俺は何をすればいい?」


弘樹がそう質問した時、ピーッピーッと機械音が聞こえて来た。


箱を空ければマナの複製が出来上がっているはずだ。


「マナを抱いて」


あたしがそう言うと、弘樹は目を丸くしてあたしを見た。


「複製機を悪い事に使っちゃいけない」


「大丈夫だよ。悪い事になんて使わない。それにあなたは弘樹じゃなくて弘樹の複製なんだから、そんな事考えなくてもいい」