テーブルの上に複製機を置き、バッグから筆箱を取り出す。


まずは弘樹からだ。


あたしは弘樹の髪の毛を取り出すと、複製機に入れた。


1分経過すると機械音が鳴りだしてあたしは箱を空ける。


いつも通り、複製に成功だ。


続けてマナの髪の毛も複製機の中へ入れる。


「複製機を悪いことに使うな」


複製された弘樹の言葉にあたしは大きなため息を吐き出した。


全く同じなんだから、そういう事を言うと思っていた。


あたしは険しい表情をしている弘樹へ歩み寄った。


「ここがどこかわかる?」


そう質問すると、弘樹は初めて周囲を見回した。


そして次の瞬間カッと顔を赤らめたのだ。


ラブホテルの一室だと気が付いたようだ。