あたしはそう言うと、自販機でコーヒーを2つ買って戻って来た。


「サンキュ」


大雅は冷たいコーヒーを受け取り、額に当てて冷やしている。


放課後も部活で汗を流して来たんだろう。


「正直本気で心配してたんだぞ。弘樹のやつ毎日マキの話ししてたしさ」


「そうなんだ?」


初耳だった。


複製機を手に入れてから、弘樹との関係だって随分少なくなっている。


「そうだよ。好きっていっても、その度合いが強すぎて俺でもちょっと怖いって思ったくらいだし」


そんなにあたしの事が好きなのか。


てっきりもう嫌われていると思っていた。


「家まで送る」


コーヒーを鞄に入れて大雅がそう言い、立ち上がった。


あたしはコーヒーの飲み干してゴミ箱へ投げ入れた。


「ありがとう大雅」


あたしは素直にそう言って大雅について歩きだしたのだった。