「複製機ならずっと使ってるよ」


と、返事をする。


『その機械を使って人を落とし入れるなら、返してもらう』


「はぁ? なに言ってんの。複製機はもうあたしのものよ!」


あたしはそう言うと乱暴に電話を切った。


複製機の為だけに弘樹と寝たんだ。


今更返せなんて言わせないし、自分のものをどう利用しようとあたしの勝手だ。


あたしはスマホをマナーモードにして鞄に入れた。


複製された陸人は2時間で溶けはじめてしまうんだ。


その時間を弘樹なんかに邪魔されたくなかった。


「電話、誰から?」


「なんでもないよ」


あたしはそう返事をして陸人に寄り添ったのだった。