ほんと、自分で自分のことを病気なんじゃないかと思ってしまうくらいなんだ。


「大丈夫だよ。妹はもう1つ持ってるんだから」


弘樹が笑顔でそう言ってぬいぐるみをあたしの机の上に置いた。


限定品というだけでぬいぐるみがキラキラと輝いて見えるのはどうしてなんだろう。


「妹さんに内緒で、勝手に持って来たの?」


「そんなことしないよ。ちゃんと、欲しい人がいるからあげていい? って、聞いてきたよ」


弘樹は笑いながらそう言った。


妹さんにはちゃんと了承を得ている。


けれど相手は幼稚園の子だ。


誰かにぬいぐるみを上げると言う事を、ちゃんと理解していないかもしれない。


後からぬいぐるみが1つ足りないことに気が付いて、泣いてしまうかもしれない。