でもほっておくわけにはいかない。


両親が仕事から帰って来る前にどうにかしなきゃいけない。


あたしは弘樹との電話を切ると恐る恐る部屋のドアを開けた。


部屋の中央あたりに真っ黒な液体があり、頭だけになった陸人が液体の上で何かは話しを続けている。


あたしは吐き気を押し込めてすべての窓を開けた。


ドアも開け放ち、廊下の窓も開けて換気をする。


そのまま一階へ駆け下りてゴミ袋とマスクとナイロン手袋を用意した。


あのドロドロの液体をこれから処理するのだと思うと、泣きそうな気持ちになった。


いくら好きな陸人の体だと言っても、あれはもう陸人ではない。


ただの異臭を放つ液体だ。


あたしは勇気を振り絞り、自分の部屋へと向かったのだった。