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放課後まで大雅はしっかりとガードしてくれていた。


そのお礼に数千円を手渡して「今日はもう大丈夫そうだから」と、先に帰ってもらうことにした。


そして下駄箱で弘樹を待った。


弘樹は今日委員会の仕事があったようで、下駄箱に誰もいなくなった頃やって来た。


2人きりでいる所を誰にも見られないから、好都合だ。


「なんで……?」


あたしが待っているのを見つけて弘樹は驚いたようにそう言った。


「昨日はごめん。謝りたくて待ってたの」


「謝って済むことかよ。昨日お前は俺に何をした?」


そう言って詰め寄って来る弘樹。


あたしは数歩後ずさりをした。


「本当にごめんなさい。どうしても欲しい物があって何度も複製しなきゃならなくて」


「あの機械を返せ。大雅にも何か嘘を吹き込んだだろ。今日1日俺につきまとってきたんだぞ」


「弘樹は怒ってると思って怖くて……」