「柚香に聞いてみたらね、弘樹に女のイトコはいないって言ってた」


「え? でもあの時弘樹はイトコだって言ってたよね?」


「柚香が嘘をつく必要はないから、弘樹が嘘をついてるんだと思う」


そう言うと、ナオは困ったように眉を下げた。


「なんでそんな嘘をつく必要があるの?」


ナオにそう聞かれてあたしは左右に首を振った。


わからない。


だけどそこには後ろめたい何か、人に知られたくない何かがあるはずだ。


あたしは横目で弘樹を見た。


弘樹の横には大雅がいて、2人で何か話をしている。


もし、弘樹と一緒にいた子が複製された子だとしたら、あの機械は人間を複製することもできるということだ。


その事実にあたしは舌なめずりをした。


しばらく弘樹の家には行かない方がいいと思っていたけれど、これはちゃんと確認しとかないとね……。