けれど、弘樹の行動は大雅が見張っているから、動く事ができずにいるのだ。


そんな変化を柚香はしっかりと見ていたようだ。


「あたしが好きなのは陸人だよ」


そう言うと、柚香は驚いたように目を見開き、それから嬉しそうに笑った。


「なんだ、そうだったんだ。陸人って幼馴染なんだっけ? へぇ、そうなんだ」


頬を赤らめて何度も頷く柚香。


安堵しているのが見ていてもよくわかった。


「でも、柚香にまで誤解されてるんだね。それならあたしはもう弘樹とは仲良くしない方がいいのかも」


「そんなことないよ」


慌てた様子で柚香が言った。


でもあたしは左右に首を振る。


「だって、あたしも陸人に勘違いされたら嫌だもん。必要以上に仲良くするのはやめた方がいいと思う」


「そっか……。そうだね、そうかもしれないね。弘樹は傷つくかもしれないけど、誤解されるもの辛いもんね」


柚香は弘樹があたしだけを見ていることを知っていて、まだ好きでいるのだ。