可愛い方が似合うと言われたナオは頬を赤らめ、嬉しそうにほほ笑んだ。


「陸人って可愛い系が好きだっけ？」


そう質問すると「最近、そういうのもいいかなって思ってるよ」と、照れ笑いを浮かべた。


それはあたしの知っている陸人とは違っていた。


陸人は昔から大人っぽい人が好きで、だからあたしも大人っぽくなろうと頑張っていたのに。


あたしは誰にも気が付かれないよう、奥歯を噛みしめた。


「陸人は可愛い系の子と並ぶより、綺麗系の事並んだ方がよく似合うよ」


あたしはそう言い、ナオを睨んでから自分の席へと戻ったのだった。