「不器用でたくさん失敗してるところをキャーキャー言ってる女の子に見られたくないから、」


「ちょっと、」



「何にもやらないんだ?」


「…。」





黒と赤のペンキを持って、レジへと向かう





「なーんだ、女の子たちの目を気にしちゃうあたり、
志摩くんもモテたいんだね〜」




クスクス笑ってみると、志摩くんは眉を寄せて私のことを見てる



…あ、これ、この顔。

絶対ムカついてる時の顔だ





学校へと戻る道で、志摩くんは面倒くさそうにため息をついた





「…あのさ、」


「え?…って、ちょっ、と!」





両手に持ってるペンキを強引に奪ってスタスタ歩いて行ってしまう