祖母の旦那さん、つまり僕の祖父とは、お見合いで結婚したんだそうだ。
十一人の兄妹がいる、隣村の小林家の三男で、家を継ぐ必要はない――はずだった。


ところが、小林家の長兄は、お嫁さんが小樽から来た人で農作業が何ひとつ出来ず、ここでの生活に耐えきれずに小樽に戻ってしまい、長兄はそれを追って行ってしまったという。

次兄は、分家して家を出て行って結婚。

そのため、三男である祖父が、本家を継ぐことになった。