「ごめん、少し遅れる」




『全然いいから。気を付けて来て』




夏休み直前。


亜美の家でBBQをしようと


いうことになり、


私はスイカを片手に駅から


急ぎ足で向かっていた。


夏休み直前だからといって、


涼しいわけもなく。


ジリジリ照らす太陽が。




「ちーなつ!」




一段と輝きを増して、


私を焼き付けた。





「うわっ」




「いや、驚きすぎだから」





背後から声がして、


見上げれば私を覆うように


覗き込んできた影。