妖狐がウインクしたと思えば、風が吹き、制服のスカートが揺れた。

「分かると思うけど、俺は妖狐。つまり、妖怪」

反射的に頷いた。
それを確認してから、妖狐が微笑む。

「…此処から、華子は多分ついていけない話をする」

また、頷いた。

「妖怪使いって分かる?」

「聞いたことないけど、妖怪を従わせる人のこと?」

「そう、正解!んで、華子が妖怪使いな訳」

頭がついて行かなくなって来た。
よく分からないけど、私は妖怪を従わせることができるのかな。

だから見えるのか、と思うとやけに納得した。

「納得?理解力高いね〜」

馬鹿にしてるとしか思えない。
はぁ?と言いたくなるが抑える。

「妖怪使いは生まれてすぐではない。最近、親族で誰か死ななかった?」

「あ、ひいおばあちゃん」

「そうだよね〜。だから、先代妖怪使いはひいおばあちゃんなの」

…。
先代妖怪使い…。そうなんだ、ひいおばあちゃん。