「あっ、ねえ、あの子?」

女の人…紫の浴衣を着た、猫耳と尻尾が付いている人が、一番に私に気がついた。

「ああ、本当だ。ごめん、華子」

「…別にいいけど」

「あ、そう?じゃあ紹介するね。100代目妖怪使いの、朝霧華子だよ」

私は微笑んでから軽くお辞儀をする。

学校などの外での態度だ。
私の悪い癖で、外では私は猫をかぶるのだ。つまり、ぶりっ子になる。

「んで華子。こっちが…」

「あ、琥珀。自分でするから。僕は百々目鬼の、翡翠です。こんな見た目だけど、怖がらないでね。」

緑の浴衣を着た男の人が言う。
全身包帯だらけで、所々隙間から目が見えている。

「私は猫又の紅藤。これは人獣だけど、猫になることもできるよ」

すると紅藤は煙に包まれ、猫に姿を変える。淡い紫色の、綺麗な猫。
でも、尻尾が割れている。

「よ、よろしくお願いします」

「華子、俺の時みたいに敬語じゃなくていいから」