恥ずかしさのあまり、僕はすぐに話を逸らそうとしたのだが

(会話が思いつかない…)

僕はこう見えてネットで言うコミュ障…
話なんて出るはずもない
話題に困っていると彼女がゆっくりと口を開き「この辺に住んでる人?」と聞いてきた

少しびっくりしたが先程まで上手く喋れなかったのだが何故か「そうです」と答えられた。
それを聞いて彼女は少しホッとしたように僕を見つめチラッと僕の服装を見て

「あなた、学生さん?学校は大丈夫なの?」

そう言われ僕は思い出した何故自分はこんな所にいるのか
何故急いで走っていたのか
何故恐怖に煽られていたのか…という事を…

「やべっ、遅刻しそうだったんだった!」

「それじゃあ、ここで解散ね、ありがとう話が少しだけど思い浮かんだわ」

そう言った彼女は僕が通ってきた道を歩いていった。
真夏の風が拭き、彼女の髪を優しく撫でるように流れていた
彼女の姿が見えなくなると僕は急いで学校へと走った…