「なんで、オレがこんな思いしなくちゃなんねーんだよ」


あたしが何を言わないことに苛立っているのか、いきなり侑斗はベンチから立ち上がって怒鳴った。


「オレは、お前のなんだよっ?奈和がいなきゃ、生きてけねぇみたいで最悪!たった数時間傍にいないだけで、なんでこんなに不安になんなきゃいけねーんだよ?なぁ、こんなのって変だろーが!なんでだよ?なんで、奈和はそんなに平気なんだよ?オレがいなくてもいいの?……オレに、未練なんかねーの?」


だんだんと嗚咽が雑じり、侑斗は、泣き声を噛み締めて下を向いた。
更に溢れ出した涙は地面に吸い込まれていって。
あたしは、それを見て、いきなり我に返ったみたいに侑斗に近付いて、力いっぱい抱き締めた。拒絶するようにもがき出す体をぎゅうぎゅうに押さえ込めば、しばらくして諦めたのか大人しくなる。

「…全然、平気じゃない…平気じゃないよ…ゆーと…」