「きゃあーー!!由良先輩!!」

「え、なんで1年棟に由良先輩がいるの?」

「めっちゃかっこいいんだけど!」


っ?!


突然、黄色い歓声が廊下から聞こえ、教室にいた人たちも次々と廊下に顔を出す。


今……由良先輩って言った?


どう考えても、この女子の興奮の仕方。
彼しか考えられない。


「え、美子、なんか由良先輩来てるらしいよ」


「そうみたいだね」


「ちょ、一応彼女なんだから……」


そんなこと言われたって、あんな女子の群れに勝てるとは思えない。


そもそも私は遠くから先輩を見てるだけの人間だったし。


外階段で静かに先輩と過ごせればそれで……。


「小柴美子さんいる?」


え??