「ごっめ〜ん!委員会あるのすっかり忘れてた!」


放課後、栞が顔の前でパチンと手を合わせてから私に謝った。


「大丈夫だよ!映画、18:30からだし全然間に合うよ」


「でも…」


今日の放課後は栞と映画に行く約束をしていた。


もちろん委員会が終わった後でも十分間に合うけど、栞はまだ申し訳なさそう。


「大丈夫!ゲームして時間潰してるし!階段のとこで待ってるよ」


「ほんっとにごめん!ありがとうっ!」


「大丈夫だって!早く行ってきな!」



私は栞の背中を軽く押して、栞が教室から出て行ったのを確認してからカバンの中に教科書を詰め込む。


「近藤とどっか行くの?」


一部始終を静かにみてた勝地が口を開いた。


「うん!映画見に行くの!恋愛もの!めっちゃ胸キュンしてくる!」


「本当好きだな。先輩だけじゃ足りないのか」


「ち、違うよ!先輩は1番だけど、それとこれとは別なの!じゃ、お先ー!」


私はそう言ってカバンを肩にかけてから、勝地に手を振った。