「ま、今の距離感が1番ベストじゃね?」


「どう言うこと?」


「告白されたら大体付き合うけど、絶対後から振られるのは先輩の方だし」


「え?!なんで?!なんで先輩のこと振るの!!」


私は椅子を勝地の方まで引いてから前のめりになる。


てっきり、女の子を取っ替え引っ替えしてるのは先輩で、飽きたから振ってるもんだと。



「なんでって…相手が広真先輩のプレイボーイ加減についていけないからじゃない?我慢できなくなるんだよ」


「へ〜…」


「だからもし仮に付き合えたとしても絶対先輩のこと嫌になって振るくらいなら、遠くから見てる方がいいってこと」


「ふむふむ」


「まぁ、小柴が広真先輩に相手にされるとは思わないけどね。ごめん関係ない話だった」


きぃー!


「ふんっ」


なんか勝地に言われるとムカつく。



私が先輩とどうにかなるってありえないのはわかってることだけど。


私は、心を落ち着かせようと朝の由良先輩の笑顔を思い出して、再び口元を緩めた。


見てるだけで幸せなはずだったのに、
まさかあんなことが起こるなんて…。