「うん。正直、ちょっと安心してるんだ。あの由良先輩だよ?こんな影の薄い私のことを好きになるなんておかしな話だもん。先輩が私の憧れで、高嶺の花だってことは変わらない」


「いや〜わっからんわ〜」


「…うん、だよね」


きっとわからないと思う。
自分を好きにならないとわかっていて側にいるなんて、普通なら辛いのかもしれないけど。


遠くから見ていた私にとって、先輩が私のことをなんとも思ってなくても、側に居られるってことだけがすごく大きい幸せだ。



「それで、お昼休みは先輩と食べたいって?親友の私を1人にして、あのチャラ男とご飯ねー」



「うっ…」



そりゃ怒るよね。


ずっと一緒に食べてた友達を差し置いて、昨日初めて喋ったばかりの先輩とご飯食べたいって言い出すなんて。