「へ〜、遥って、女にそんなベタベタするタイプだっけ?」


由良先輩が、勝地のことを下の名前で呼んだ瞬間、この2人が部活の先輩後輩だったことを思い出す。


「ちょ、広真やめろよ。勝地くん怪我してるって、引退したお前らにも連絡あったろ?」


「怪我してたら人の女にベタベタしていいってそんなのねぇけど」


え、由良、先輩?


なぜかすごく不機嫌極まり無い由良先輩の口調。


勝地と由良先輩の目が合って、バチっと聞こえた気がした。


「俺にいうよりもまず、一人で男の家に上がり込んだら小柴を先に叱ってもらわないと」


「え、ちょ、勝地!」


慌てて彼のお腹を軽く叩く。


「はっ?」


さらに先輩の低い声。