コンコンッ


「どうぞ〜」


部屋のドアがノックされたので、慌ててマスクをしてから返事をした。


ガチャ


ドアが開かれると、心配そうに眉毛を下げた栞が顔を出した。


「美子、寝てなくて平気?ごめん、押しかけて」


「食欲もあるしすぐ治りそう!まだ熱は下がんないけど朝よりもだいぶ良くなったよ!栞の顔も見れたし」


申し訳なさそうに立つ栞に、へへへと笑いながらそういうけど、栞はまだ顔色が暗い。


最近、なんだか栞はこの顔をすることが増えた。


コンコンッ


「……入っていい?」


開けられているはずのドアからまたノック音が聞こえたので目をやると、日高先輩がそう言って立っていた。


「日高先輩!どうぞどうぞ!すぐに入ってきてくれても良かったのに……」


「いや、一応女の子の部屋だしね。一応」


「うっ、一応は余計ですよ」