由良先輩はふしだら



布団を被って天井を見上げて。
浮かんでくるのは先輩との楽しい思い出ばかりで。


初めて一緒に帰ってクレープを食べた日。

私が握ったおにぎりを美味しいと言った日。

オソロコーデでデートした日。


すごく短かった期間だったのに、先輩との思い出は本当にたくさんで、遠くで見ているだけでいいなんて言ってた自分を恥ずかしく思うくらい、今は先輩でいっぱいで、もっと隣にいたかったって思う。


勝地に『先輩の方が女の子から先に振られる』なんて聞いていたから、どこか油断していたのかも。


先輩があまりにも優しいから、どこか期待していたかもしれない自分をひっぱたきたい。


もしかしたら、先輩と両想いになれるかもしれない、なんて。


そりゃよく考えたら、私みたいなやつ、めんどくさいよな……。


頭がズキンと痛くなっておでこに手を当てる。


熱い。


私のおでこじゃないみたい。


私は、痛みから少しでも遠ざかるために無理やり目をつぶってもう一度眠りについた。