「今日は一日寝てなさいね。ママも仕事お休みするから、何か欲しいのあったら言って。熱、明日も下がらなかったら病院行くわよ?」
いつものママの数百倍は優しくて、少しニヤニヤしちゃう。
「うん、わかった、ありがとう」
私がそういうと、ママがパタリと部屋のドアを閉めた。
学校を休むなんていつぶりだろうか。
勉強も運動もできない私は、とりあえず元気に学校に行くことだけが取り柄で。
今日熱を出してしまったせいで、たった一つの取り柄さえなくなってしまった。
高校生になって特に、毎日由良先輩を見つける楽しみがあって。
あぁ、そうか。由良先輩……。
もう、話せなくなっちゃうんだ。
ジワリと涙が目に溜まって、痛い頭がさらに痛くなる。
「ううっ、」



