「俺が美子のこといらないって思ったら、美子は引いてくれるんだよね?」
「……っ、」
『いらない』
グサッと胸に刺さって涙が溢れる。
先輩が私の顔を見ないで話してくれているだけありがたい。
こんなの、真正面からしっかり目を見て言われたらそれこそ耐えられない。
今だって、耐えられないと思っている。
「キ、キスでもなんでも、私大丈夫ですよ、だから」
バカみたいだ。 この期に及んでまだそんな。
どうにかして繋ぎとめたいなんて。
「だからそういうところだよ、美子だと欲情しない」
「……っ、」
ああそうだ。
私はいつだって、女として先輩には見てもらえてない。
先輩を笑顔にしたい!なんて踊っているピエロ見たいな。



