「…せ、先輩?」
「付き合ってるから、いいよね?」
「へ、あ…」
好きじゃない人にも先輩はこう言うことができる人なのはわかっていたつもりだったけど。
いざやられちゃうと、頭の中真っ白になっちゃう。
触れて初めてわかる。
すらっとしてるように見えるけど、ちゃんとゴツゴツしていて男の人の体。
だけどすごく優しくて、溶けちゃいそうなほどあったかい。
「…ごめんね、ちょっとこのままでいい?」
っ?!
どうしよう。
鼻血が出そうだ。
耳元に由良ボイスがかかるなんて!!!
私は、先輩に抱きしめられたままコクンと頷いた。
「よかった、」
それにしても、先輩の声なんだかいつもより元気がない気がする。