「今日、実はサンドウィッチなんです。おにぎりの時同様、ただ挟んだだけなんですけど!先輩のお口に合うか───」
「あのさ、美子」
「えっ、先輩?どうかしましたか?」
私の名前を呼んで、口をつぐむ由良先輩。
なんだか空気が重くて、一瞬、嫌な予感がした。
「……あのさ、メッセージ、できなかったの理由があるんだ」
「そのことなら大丈夫ですよ!全然気にしてないですし……」
「……別れてほしい」
「へっ……」
耳を疑ってしまった。
いつか必ず訪れることだったはずなのに。
聞き間違いだと思った。
先輩の、冷たくて低い声。
なんで、今、このタイミングなんだろうか。
これからもっともっと先輩と笑いあえる思い出を作るんだって、またデートしてくれるって、この間話したばっかりで。



