由良先輩はふしだら



あれから、午前中の授業はずっと由良先輩のことで頭がいっぱいで。


休み時間は休み時間で、栞の様子がおかしいことを聞き出そうとしても、なんだか今日の栞はよくしゃべるしで、私に聞く余裕を与えてくれなかった。


そして、あっという間の昼休み。


「今日も先輩のところ行くの?」


「えっ、そうだけど……」


栞の声にランチバックを持ったままそう答える。
なんでそんなこと聞くんだろう。
もう、先輩とお昼を過ごすなんて日課になっていることなのに。


あ、もしかして!


「栞、もしかして寂しい?!それなら……!」


「あぁ、ううん。違う違う。ごゆっくり。先輩から返事来ないって騒いでたからどうなってるんだろうと思っただけ」


「そっか。まだ返事返ってきてないけど、とりあえず会ってくる!」


先輩から返事がこないままお昼の時間になったこと今までにもあったし。確か、スマホの充電を夜にし忘れたとかで。


きっと今回もそんなところだろう。


私は、栞に「じゃあね」と手を振ってから、いつもの外階段へと向かった。