由良先輩はふしだら






「ん〜……」


「おはよ。どうした、朝から難しい顔して」


日高先輩に送ってもらった日の翌日。
教室の机でスマホをジッと見つめていた私に向かって栞が声をかけてきた。


「あっ、おはよ。ん〜……由良先輩からメッセージの返事がこないんだ……既読もつかないし」


「……っ、へ〜あんたたちそんなにマメに連絡とってたの?」


あれ?今一瞬、栞に変な間があった気が……。


「朝はほとんどおはようって送り合ってたから」


「あそう」


「昨日の帰りもね、由良先輩用事ができたって言って代わりに日高先輩がうちまで送ってくれたんだ。どうしたんだろう」


「……」


ん?栞?


「栞?」


「あぁ、うん、先輩も色々あるんじゃない?」


栞……なんか、いつもと様子が違う気が。


「栞、なんかあっ────」


キーンコーンカーンコーン


ちょうどチャイムが鳴って、栞は自分の席へと戻って行ってしまった。


今の栞、変だったな。
何かあったのかな?