「やばい!入学式早々遅刻だよ!」

私は、全力疾走で学校に向かう。

入学式で遅刻なんて悪目立ちしまくるよ!

「うわぁっ!避けろー!」

ふと、頭上から声がした。

上を見た時にはもう手遅れでした。

そう、上から落ちてきたのは桜の花びらと共に降りてきた少年でした。

どんっと、辺りに鈍い音が響いた。

恐る恐る目を開けると、どこも痛くなく、隣には落ちてきた少年がいた。

その少年の目は凛としていて、とても綺麗だった。

うわぁ、好きかも…

きっと、私は一目惚れをしてしまったんだと思う。

「大丈夫か?ごめんな」

「全然!怪我もなかったから大丈夫だけど…」

私よりも、あなたの方が大丈夫ですかって聞きたいよね。

だって、3mくらいのところから落ちてきたんだもん。

「あ!遅刻しちゃう!」

私は、ここで立ち止まるわけには行かなかったんだった。

私は時計を見ると、ガックリとうなだれる。

「あ!もしかして新入生?」

「そうです!」

彼の制服を見たら、私と同じ学校だった。

てことは、先輩ってこと…?

「じゃあ、お詫びとして乗っけてあげる!」

「え?」

「よし!早く行こう!」

彼は私の腕を引っ張って走りだす。

その早さは、私の足では到底追いつけるわけなく、足が外れるかと思った。

生まれて始めてこんなに早く走った。

「ここに乗って!」

彼が指を指したのは、自転車の後ろの部分だった。

どうやら2人乗りをしようとしているらしい。

いや、こんなことしたら絶対目立つやん!って思ったが、遅刻するほうが嫌だったので仕方なく従うことにした。

まあ、ちょっと嬉しい気もしちゃうかもだけど…