「あの、これ、好きなだけ貰って?」


嬉しくて、無意識に笑顔が浮かんでくる。


「じゃ、2つ」


「なんで2つ?」


「弟に、あげてもいい?」


「弟いるの⁉︎」


「ん。10個下」


なんと、初耳。


10個下、ということは、6歳。小1かな。


可愛いんだろうな。


飯島のこと、また1つ、知れた。


「弟さん、見たいな」


「明日、写真持ってくる」


「ほんと?いいの?」


「うん。可愛いから、見て」


優しいお兄ちゃんだ。


飯島の新しい一面は、また私の好きを募らせていく。


ふふふ、と笑顔が溢れる。


そんな私を見て不思議そうにしながら、飯島もちょっと笑った。



3時限目、家庭科。


余りモノには福がある、なんて。