『…ん』



独特な薬の匂いが鼻を掠める部屋の中



白い天井だけが見えた



そしてここが病院である事に気づいた



「起きたのか!?」



近くに居たのか先生らしき人が私に駆け寄ってきた



「麗美!!」



麗美?私に向けて発せられた名前



でもその名前に心当たりはない



『…だれ?』



「え…」



私がそう言うと先生らしき人は困惑したように私の方へと来た



「れ、麗美?俺の名前分かるか…?」



少しの間考えてみるけど…全くわからない



『分かんない』



少し目を見開いたその人そして信じられないような事を言った