Hope Your Dream

「おはようございます」


私より早く来ていた先輩が、足を組んでコーヒーを飲んでる。


「あれ、今日こっちだっけ?」

「はい……?」

「望くんの店には行かない?」

「……夜に、伺わさせてもらう予定です」


望くん。

どうしても呼び方に引っかかる。


「え、そうなの?私、昼頃に行ってもらうって言ったんだけど」

「え?」

「待って、確認するから」


先輩がコーヒーを置いて携帯を耳に当てる。


「あ、望くん?……そうそう、今からでもいける?あ、了解、うん」


先輩の声は、私の対応の時となんら変わりなかったのに、少しトーン上がったよねなんて考えてしまうのは、女の性(さが)なのだろうか。


「……ってことで、今から行けるよね?」

「え、でも」

「仕事は明日でいいから」

「……はい、わかりました」

「え!夢、今から来るのっ?」

まだ繋がっていたらしい電話先から、望くんの低い驚いた声が聞こえて、足がすくんだ。


「……先輩」

「ん?」


足を組んだまま携帯の画面を閉じる先輩。


「先輩って、彼氏さんとかいたりしますか?」

「は?彼氏?そんなんいない」

「じゃあ好きな人は?」

「いない。あのねえ、そんなこと聞いてる暇あるんだったら早く行きなさいよ」

「……はいっ」


弾んだ声を出した私に、先輩が驚く。