『ん・・・・・・』



ここ、保健室・・・?



「やっと起きた」


『健・・・?私・・・』


「持久走で蛍全力で走ったから、軽い熱中症になったんだよ。」


なんだこいつ・・・ていうか、私が全力で走ったのはお前のせい・・・ん?



『あの、健・・・?私のこと、誰がここまで運んでくれたの?』


そしてベットから立って身だしなみを整える。


「はぁ?俺だよ。あともう少し寝てれば?」



ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙


いや落ち着け私、ここは笑顔でありがとうのところだぞ!

ていうか私最近食べすぎて体重3キロ増えてたよね、え、まさかその身体を健が「てかお前飯ちゃんと食ってんの?軽すぎだろ」


ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙


まじかぁ・・・いや嬉しいよ、嬉しいけどね??なんか幼なじみにそんなイケメンなこと言われると恥ずかしいんだよなぁ・・・



いつのまに力士並みの体重である私の身体(※本当は痩せています)を運べるように・・・



『健、力無いのに・・・はは、重かったでしょ、ごめんね』


骨が折れてないか心配だよ、ほんと


「・・・・・・」


すると健がどんどん不機嫌な顔になっていく。





『・・・?あの、け・・・』



健、と呼ぼうとした矢先。視界が反転し、さっき立ち上がったはずの私の身体はベットの上。目の前には天井をバックに怖い顔をした健がいる。


押し倒されたことをよくやく理解する。


「俺がいつまで経っても子どものころみたいに弱い、なんて
思ってんの?」

『・・・え』


「俺は男だし、蛍より力も強い。だから・・・」



そこで一度言葉を切って、私の耳元で囁く。




「あんまり子ども扱いしてたら、襲っちゃうよ」




『ひゃ・・・っ』


ふっと息を吹きかけ、反応を楽しむように見てから早く帰るよ、と言ってそのまま保健室を出ていく。





ん・・・?あれは明らかに私の知ってる健と違う。

だって建は昔から、昔から女の子みたいに・・・




『あぁああー・・・』




なぜかひどく動揺している自分がいた。