季節は、春。
黒い学生鞄を握り締めて、黒塗りベンツから降りた。
降りた時、風が吹いていて腰まである黒髪のストレートロングが少し揺れた。
瞳は、髪と同じ黒い瞳をしている。

『いってらっしゃいませ。お嬢』

頭を下げながらそう言ったのは、あたしの側近である強面顔のテツという男。
確かに今年で26歳だったはず‥
テツは、あたしの正体を知っている。
あたしのことは、また後で話そう…

『‥‥いってきます。でも、ここではお嬢だなんて呼ばないでね。』

あたしは、そう言ってから昇降口に向かう。
艶のある黒いローファーに、黒のニーハイソックス。
白いワイシャツのボタンを2つ外して、その上に赤いチェックのネクタイに、黒色のカーディガンを着ている。
スカートの膝から15cm折っているスカートの色はネクタイと同じ色。
正直、高校何か行かなくても飛び級しているからいいのに…
あのクソジジイのせいで(^ω^#)