「すみません……」 再び呟くあたしに、 「謝らないでください」 樹さんは静かに告げる。 「俺にそんなことを言ってくださったかたは初めてで…… なんだかホッとしています」 その落ち着いた声が、悲鳴を上げる胸にそっと染み渡る。 「川口さん、また俺がしんどい時は、話を聞いてくれますか?」 思わぬその言葉に顔を上げる。 すると、樹さんのまっすぐな瞳とぶつかって、顔に火が灯るのが分かった。 あたし…… 嫌われていないんだ。 その事実が嬉しい。