飛べない鳥に、口づけを。




いけない。

仕事中なのに、樹さんに夢中だ。

そんなことばかり考えているあたしの耳に、



「いっちゃん」



小沢さんのしゃがれた声が飛び込んできて、はっと我に返る。




あたしは樹さんに会うために来たわけではない。

小沢さんのために来たのだ。

気をしっかり持たなきゃ!



自分に言い聞かせ、小沢さんが寝室として使っている和室に向かった。