「お電話変わりました。

薬剤師の川口です」




努めて冷静にそう告げたが……




「突然お電話してすみません」




電話から聞こえてきた男性のその声に、倒れそうになった。




ヤバイ……

胸が痛い。

心臓止まりそうだ。





あたしは発作でも起きたかのように、胸をぎゅっと掴んで肩で息をしている。

そして、喘ぎ喘ぎ言葉を発する。




「どっ……ハァ……どうされました……?」





あたしの取り乱しっぷりを、まだまだ矢沢さんと南さんは笑っている。

だけど、電話の向こうの樹さんは笑ったりなんてしなくて、不安そうにあたしに告げる。