矢沢さんはニヤニヤした顔であたしを見て、唐突に聞いた。 「どうした、川口。恋か?」 「……っ、はぁ!?」 思いっきり取り乱すあたしを見て、矢沢さんと南さんはさも可笑しそうに笑っている。 駄目だ駄目だ、これは恋なんかではない。 患者様の孫に恋なんて、ありえない!! そう言い聞かせるが、顔が熱く胸が煩い。 まさか…… まさか、ね。