樹さんを見送って、大きく深呼吸する。
きっと、この呼吸の乱れや胸の不調は、樹さんがイケメン男性だからだ。
あたしは、イケメン男性にアレルギーがあるかもしれない。
そして、この不調過ぎる身体に鞭を打って、薬局内へと戻る。
薬局内はまだ患者が残っていて、スタッフも忙しそうに仕事をしていた。
矢沢さんが神対応を終え、調剤室に戻ってくるなりあたしに言う。
「川口、今日の仕事も大詰めだ。
急げよ」
「はっ……はい!」
「俺はこの後スタジアムまで、アスール東京のサッカーの試合を観に行かないといけないから」
「……はい!」