ゆっくりと自動ドアの前に立つ樹さんに、あたしは駆け寄っていた。
そして、
「すみません!!
足、大丈夫ですか!?
どこかまで送ります!!」
相変わらずパニックを起こしながらも樹さんに言っていた。
我ながらびっくりだ。
初対面のイケメン樹さんに、こうも積極的になるなんて。
だが、勘違いしてはいけない。
あたしは好きだからアピールしている訳ではなく、全て罪悪感からきた行動なのだ。
樹さんはまたまた面白そうにあたしを見る。
そして、笑顔で口を開く。
「大丈夫ですよ。
これから、タクシーでしか行けない場所に行きますから」
「たっ……タクシーで!?
それなら、タクシー代を……
「お構いなく」



