ー菜緒sideー 夕陽が樹君を真っ赤に染めていた。 アスールの青いトレーニングウェアさえ赤く赤く染まっている。 樹君はあたしに駆け寄り……手を差し伸べる。 その腕の中に飛び込んでいた。 ぎゅっと抱きしめられた樹君の身体は、予想以上に筋肉質で硬くて、そして樹君の香りがした。 心臓がドキドキとうるさい。 止まってしまいそう。 身体を震わせて、涙を流して、そして樹君の身体を堪能する。 好きだ…… やっぱり、樹君が大好きだ。