飛べない鳥に、口づけを。






「そうだよね……

サッカー選手なんて、チャラいの代名詞だ」




軟膏を練りながら、ぶつぶつ唱える。




「友達って言われたら、友達以上は期待しちゃ駄目だったんだ」





そんなこと分かっていた。

だけど、樹君が好きすぎて……その一挙一動に狂わされて、友達だなんて考えられなかった。





「そうそう。

アラサーで独身のサッカー選手なんて、相当遊んでるんじゃない?」




いつの間にか南さんが隣にいて、あたしに告げる。

そして、



「どう思う?薬局王子の矢沢君」



話題を振って欲しくもないのに、矢沢さんにそう聞いた。