飛べない鳥に、口づけを。






あたしは何をやっているのだろう。

こじらせ卒業かと思ったのに、再びこじらせに戻っている。

もっと気を引き締めて仕事に取りかからないと。



そう思うあたしの元に、カウンターから帰ってきた矢沢さんが近寄る。

きっと怒られるだろうな。

そう思って、



「すっ……すみません」



謝ったが、



「今日のお前は使い物にならない。

部屋の隅で軟膏でも練ってろ」



冷たく言い放たれ、軟膏器具を投げられた。




最悪だ、矢沢さんとの関係も良好だと思ったのに……きっとあきれられた。

矢沢さんも南さんも思っているだろう。

ー小沢樹なんて、川口の手に負える相手じゃねぇよー