「川口さん、大丈夫?」 あからさまに元気がないあたしを見て、南さんが心配してくれた。 プライベートを仕事に持ち込んではいけないことくらい理解している。 だが、失恋のダメージが大きすぎて、持ち込まざるを得なかったのだ。 何をしても樹君のことを考えてしまう。 樹君の笑顔を思い出してしまう。 だけど、彼女がいるなら離れなければならない。 あたしは、樹君みたいな純粋な気持ちで「友達」をしていた訳ではない。