「綺麗だけど、冷たい子です……」




小沢さんはそんなことを言ったけど、もう話を聞くことすら出来なくて。




「おっ……小沢さん、すみません!!

急な仕事を思い出しました。

急いで帰らないと。また来ます!」




そう言い残して、小沢さんの家を飛び出していた。




もう、頭が真っ白だ。

友達でいいなんて思っていたが、実際に彼女がいると分かると、悔しさと嫉妬でいっぱいになる。

こじらせ女のあたしには、手が届かない存在だと分かっていたのに。

もう、この天邪鬼な気持ちは何だろう。




樹君のことなんて考えないでおこうと思うのに、樹君のことばかり頭を過って。

あたしは、道を走りながら涙を流していた。