だが、あたしの願いも届かずに終わり、小沢さんはこくりと首を縦に振った。 その瞬間、逃げ出したい衝動に駆られる。 「綺麗な子です。 ……ニュース番組に出ている……」 それってもしかして、アナウンサー? スポーツ選手とアナウンサーなんて、王道の組み合わせだ。 あたしは瞬時に負けを確信した。 はじめから疑うべきだった。 あたしは樹君にとって、ただの友達だ。 イケメンでスポーツも出来る、優しい樹君がモテないはずはないのだ。